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【2019 輪廻転生】

★ご臨終メディア/森巣 博, 森 達也


 ご臨終メディア ―質問しないマスコミと一人で考えない日本人 (集英社新書)


だいたい読んだ。以下、簡単なメモ。

・日本大使公邸人質事件。ゲリラの主張を報道してはいけないとメディアは考えた。

・転び公妨。

天皇責任を追及したNHKのテレビ番組。

・香田さんのイラク誘拐事件のとき、小泉首相は最初に「自衛隊の撤退はない」と断言してしまったこと。「自己責任」の小泉政治の日本。

・パナウェーブ報道への違和感。タマちゃんに温かい注目が集まったのと対照的。

*いずれも同時代に気になっていた事象ばかりなので、非常に面白い。また勇気づけられる。また反省させられる。

・著者は天皇へのインタビュー企画を提案したことがあるという。

・なぜ手錠にモザイクをかけるのか。犯罪者の顔はさらすくせに。

綿井健陽のドキュメンタリーは、テレビ番組の素材にもなったが、テレビとちがいナレーションも音楽も一切ない。現場のノイズが全部再現されている。これが戦争なのだと思ったと著者はいう

・懲罰的なマスコミ。菅直人の未納問題の追及なども。

・「許せない」という言葉には明確な主語がない、と森は言う。だいたいメディアが被害者の代弁をするという構図自体が本来おかしい、とも。

・ニュースって何だろうと問う森に対して森巣、「被害者への感情移入ではありませんね。一種の自分に対する癒しになっているのではないでしょうか。被害者への蔑みです。おうおう、間抜けが殺された。それに比べてうちは……という。だから妻が夫を殺した場合は特に詳細に報道される」