東京永久観光

【2019 輪廻転生】

この世界史しかない

世界史を改めて眺めつつ、ああ私たちにはローマ帝国があった歴史しかないんだな、イスラム帝国があった歴史しかないんだな、モンゴル帝国があった歴史しかないんだな、などなど、そんなことを思う。別にこれでなくてもよかったかもしれないのに、結局これだった。これ以外に歴史は存在しない。

それは現在も同じで、たとえばアメリカという国やロシアという国や中国という国が、それぞれいかに特異で、いかに標準的でも模範的でもないのだとしても、これらが出来てきてしまった歴史だけがあったのだし、これらがある世界しか存在しないのだなあと、ちょっとため息が出る。

乗りかかった船、という感想がぴったりくるか。

 

夏ぐらいから、数学の復習とともに高校レベルの世界史も復習している。愛用の『詳説 世界史研究』(山川出版社)を最初から読み直し。近世ヨーロッパまでたどりついた。大航海時代ルネサンス宗教改革これはどれも空想や創作ではないのだ

 

[9月29日]世界史が面白いのは、自分自身ではせいぜい1世紀弱の時代しか見聞きできないからだろう。ものごころついてからの出来事なら、内容も順番もかなりよく知っている。古代、中世、近代についても、繰り返し繰り返し読むことで、それに近いほどありありとしたライブ感が持てるようになるのだろうか。

『詳説 世界史研究』では今、ナポレオンがセントヘレナに流され、このあとウイーン会議、1848年革命、クリミア戦争と続く。当たり前だが、体験する歴史は先を知らないのに対し、読書する歴史は先がわかっている。これはけっこうなアドバンテージだ。面白くないというよりは面白い。相当面白い。

 

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人が物を売るのを妨げてもかまわないという信念の人がいる。人が体を動かすのを妨げてもかまわないという信念の人がいる。世界史を通してずっとそうなんだろう。