東京永久観光

【2019 輪廻転生】

満州とウクライナ、労働と戦争

先日、福田和也『地ひらく―石原莞爾と昭和の夢』を読んで いたく感動したのが、どうにも疚しくも感じられ、加藤陽子満州事変から日中戦争へ』(岩波新書)を真面目に読むことにした。そこにはウクライナを侵略したプーチンの胸のうちも当然ながらオーバーラップしてくる。


ブダペスト覚書とかミンスク合意とか、にわかにでもいいので知っておいたほうがいいように、ベルサイユ条約とかワシントン会議とか、今さらでもいいので知っておいたほうがいいようだ。

 

プーチンウクライナ侵略とそれを眺めるロシア人は、石原莞爾らの満州侵略とそれを眺める日本人に重なる。そう気づいている人は多いだろう。さてそのとき、「2人とも狂気だ」と思う人もいれば、「2人とも正気だ」と思う人もいるだろう。「一方は狂気で一方は正気だ」と思う人もいるだろう。

 

少し角度を変えて―― 「戦争はイヤだ」という事実と「戦争がある」という事実の両方を踏まえないといけない。そしてそれは「労働はイヤだ」と「労働がある」の両方を踏まえないといけないのと同じだ。そんなことを以前ツイートした。https://twitter.com/tokyocat/status/1469067611346710537

 

「ロシア兵のように戦争に行くなんて真っ平だ。戦争に行くロシア兵は気の毒だ」私は今そう思っている。しかし同じように、貴族ならば私たちをみて「君たちのように労働するなんて真っ平だ。労働する君たちは気の毒だ」と思うかもしれない。

 

私もいつか貴族のようになったりロシア兵のようになったりする日が来るだろうか。まだ長生きをする予定なので、その可能性はゼロとは言えない。