「言語を通じたコミュニケーション論」といった分野の学問がある。そこでは、相手がその言葉を述べたのは、何らかの意図を伝えたいからだ、という言わずもがなの前提を踏まえる。したがって、相手の言葉が不明瞭・不正確でも、言葉尻に難癖をつけるより、その意図を把握しようよ、ということになる。
新型コロナウイルス感染のディスカッションおよび罵り合いにおいても、ちょっとそれを踏まえたらどうですか、と言いたい。(いやしかし、言葉尻には伝達意図がじつによく現れる、ということもまた真理かもしれないので、よくわからなくなってきた)
コミュニケーションの観点からの言語分析ということでは、ポール・グライス「会話の格率」というのが基礎にあるようだ。さらにスペルベルとウィルソン『関連性理論』というのが、その発展形かもしれない。