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【2019 輪廻転生】

人工知能 雑感


(1)
人工知能は莫大な量のデータを集め独自の優れたアルゴリズムによって最適な解答を示すのだろうが、かたや、人間知能は極小の量のデータを集め独自の愚かなアルゴリズムによって最適な解答を示す。

しかし、人間や政党は複数あるので、それぞれ「これが最適です」と熱っぽく複数の解答を出してくるわけだが、人工知能も複数あれば、やっぱりそれぞれ「これが最適です」と冷たく複数の解答を出してくるのではないか。けっきょく選べない?


(2)
人間は世界をひたすら言語に置き換えて捉えてきたけれども、近ごろの人工知能はひょっとして世界をひたすら画像に置き換えて捉えるのかもしれない。

そうしたときに、言語による理解や思考というのはよくわかるが、画像による思考や理解といわれても何だかわからない。言語はただの記号ではなく相互と内部の構造が複雑にして不透明であり、おそらく、それは文法という仕組みが作り出し、しかもそれが意味という仕組みを作り出す。

ところが、画像の組み立てにはそうした内部の構造があるようには思えない。言語を画像に置き換えて、言語の文法や意味を画像が肩代わりすることはある程度できるだろうが、画像が独自の文法(画法?)の仕組みに従っていたり、独自の仕組みで意味を生み出したりしているようには、思えない。

一方、人工知能が画像によって理解や思考を行うしたら、そこでは、私たちの文法や意味とはまったく異なる仕組みの理解や思考が行われる可能性がある。そのとき、人工知能の文法や意味は、世界とは置き換えが可能だろうが、人間の文法や意味とは置き換えがまったく不可能かもしれない。