映画『ルノワール』(早川千絵監督)。すべてよかった。これが何かわからないが、すべてよかった。
地面にあいた巨大な穴でガスの炎が真っ赤に燃えている場所がトルクメニスタンにある。フキは、日常の世界にも時としてそうした亀裂が開くことを知っており、それを見つけたいのだ。そして実際それに出会ってしまう。さまざまな事物や人々や出来事の中にふいに。
それは人生の裂け目であり生きている強い実感でもあるだろう。
私が近ごろ相対性理論の本とかをそっと開いているのも、なにかそうした世界そのものが隠し持っている巨大な裂け目のようなものが見つかるんじゃないかと期待しているのだと思う。本当の実感や驚嘆はまだある。きっとそこにある。