★人はなぜ言葉を話すのか?

書店の棚には有り余る本が並んでいるが、私が読むべき一冊があるとき、私にしか見えないサインを発している。この本もそうだった。そしてサインは正しかった。

『人はなぜ言葉を話すのか?』

https://www.sbcr.jp/product/4815639617/

 

言語で私たちはいかにコミュニケーションしているか。「言語はコード(符合)だろう」と思いがちだが、そうきっちりしたものばかりでなく、むしろ、断片だけの言葉を手掛かりに文脈を踏まえて相手の意図を推論する。──そうした「言語はパズルかもしれない」との見方が示される。

コード」と「パズル」。これはきっと、ウィトゲンシュタインが『論理哲学論考』と『哲学探究』でそれぞれ示したとされる、2つの対極的な言語観と同じようなことだろう。そういえば──

 

 

同書はまた、私たちは長く話し言葉だけでやってきて、書き言葉が出てきたのはごく最近だよ、と言う。たしかにそのとおり。つい忘れてしまう。これは、私たちの身体が狩猟採集時代に適合し飽食肥満時代には適合していない事実と、共通しているようで面白い。

とはいえ昨今は動画が著しく蔓延し、いわば話し言葉の全盛期が復活している。一方、ツイッターなどの書き言葉もまた間違いなく跋扈している。しかもそこでは「コード言語」の揚げ足とりが猖獗を極める。嘆かわしい。言葉は誤解と攻撃の燃料ではなく意図を知るピースたりうることが忘却されている。

 

→ 以後、最後まで読んだ。言語の起源を進化などの科学的な視点から本気で執拗に検証していく本だった。