東京永久観光

【2019 輪廻転生】

社会思想の異常気象


おととい夜更けに眠れなくなり、ニコニコ生放送で、小林よしのり×宮台真司×東浩紀の5時間トークを延々視聴してしまった。ゲンロンカフェで行われた『戦争する国の道徳』の刊行記念イベント。

http://live.nicovideo.jp/watch/lv238498456

さて、二晩ちゃんと眠って頭をよく整理してみるに、この3人が3人とも、「安倍政権を徹底して嫌悪」かつ「先の安保法制成立は立憲主義から疑問視」、ところが、かつ「自衛隊憲法9条には明白に違反」かつ「そのごまかしこそ最大の問題であり自衛隊を認めて改憲すべき」という立場なのであった!

そして私の目が最も冴えてしまったのは、立憲主義とは憲法の条文を頑なに守ることを指すのではなく、「国民が政権を牽制するために、国民が何を意図し、国民が憲法をどう理解し、国民が憲法をどう使用するか、それこそが立憲主義だ」という主旨のことを、3人そろって強烈に強く訴えていたことだ。

この訴えを私なりに言い換えれば、「それは日本の常識だろ、だから問答無用で従えよ」という言いようがムカつくように、「それは日本の憲法だろ、だから問答無用で従えよ」という言いようもまたムカついていい、ということ。ここ5年か10年ぼんやり思っていたことが明瞭な言葉になった夜だった。

このニコ生、視聴に1000円かかるけれど、コスパがいいとか悪いとかの話ではなく、私にとっては5〜10年に一度の認識激変を生じるものであり、もはやこれはプライスレスと言いたい。授業を休んでもバイトを休んでも年金暮らしの親に1000円借りてでも視聴すべきだ。

中身もう少し:シールズをまったく評価しない東浩紀は、プレカリアート=反貧困のデモなら本質的な運動だとみる。ところがそのシールズと共産党を持ち上げてでも安倍政権の横暴には仕返しすべきだと宮台真司は言う。小林よしのりは戦場の実際を知れば知るほど「わしは戦争反対とは言えない」と。


<その後 11.12>

きのうのニコニコ生放送、シールズの奥田さんと東浩紀さんらのトークは、またもや「社会思想の暴風雨、5時間吹き荒れっぱなし」というかんじだった(司会は津田大介さん)

http://live.nicovideo.jp/watch/lv240239411

そこで遭遇した思想の空模様はじつに多彩だった。人権という普遍の価値を重視したグローバルな介入や支援(これが大型台風)、フットサル的リア充なんてどうでもいいからいわばサバルタンが語れる運動たれ、パブリックに対するプライベートの自由主義的価値、ストリート学者はホントにゲリラか?