松本卓也『斜め論』を読み始めた。「垂直=たて」と「水平=よこ」という図式は、なんと面白く的を得ていることか! 大昔の「ノリ」つつ「サメ」る(浅田彰)を思い出してしまった。ただしこれはべつに日本社会の話ではない。第2章まで読んだが、統合失調症などの話だ。
近年は、うつ病と非定型発達がポピュラーになり、いくらかは知ることにもなり、しかも身につまされるところも大いにあった。一方、統合失調症のことはあまり知ってこなかった。日本社会のことはあらゆる人が説明し解読してくれるが、統合失調症はそうでもない。しかし統合失調症のことは、日本社会なみに知りたくはある。しかも、日本社会に関する知見は広すぎて何でもありなのに比べ、統合失調症については十分狭く適切な概要が存在するだろう。この本はそのスタンダードな概要に切り込む本でもあろうが、もちろんやはり統合失調症のエッセンスにも触れることになる。
というわけで、中井久夫による統合失調症の分析と治療が紹介され、個人的には、それをめぐる次の一言に、あっと息をのんだ。
かくして、世界は、「意味するもの(signifant)」の総体となる
なるほど〜 とはいえ、私はやはり統合失調症で身につまされることは、ありそうにないことが、これでわかるとも言える。この10年ほど私があれこれ考えてきた道筋は、結局、この世界この地球そしてこの人間の存在に「特別な意味などないんだ」という実感に向かって進んできたようだから。
本当に一言でいうなら、この世界に、意味はありません、神はいません。
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