東京永久観光

【2019 輪廻転生】

飛び道具的、酒の勢い的


ゲンロンカフェに初めて行ってきた。

茂木健一郎×東浩紀「東大は本当に要らないのか ――哲学と脳から考える新・学歴社会論」(http://peatix.com/event/23400


「人文系の学問は人間への自己言及をめぐるがゆえに、何が正しいのかは歴史によって示されるしかない。つまり最終の審級が存在しない。人間の外部をめぐる理科系の学問とはそこが根本的に異なる。

 では、人文系の知において歴史に勝ち残ったという事実を超えた普遍性は存在しないのか? 存在するならそれはどのように見出だせるのか? あるいは人文系の知は普遍性に価値があるのではないのか?」

……という趣旨の深遠な問いかけが、話のついでとしてだが、東さんから飛び出した。=引用ではなく記憶による=


ところが、東さんがトイレに立ったすきに、茂木さんは家入一真さんと鳩山由紀夫さんに携帯で電話をつないでしまい、戻ってきた東さんは二人に対し、都知事選の戦略と脱原発のありかたを大真面目に説教せざるを得なくなるという、神回というよりは至高のハプニング回だった。


とはいえ、上記の東さんの問いかけに、茂木さんは何十年かに一度の感動を覚え、東さんに対する最高の評価はこのとき固まった。朝生に初めて出演した東さんの話ぶりに田原総一朗がいたく感動したのと同じく、決定的にして郵便的な遭遇を私はまたもや目撃したのだと思う。


しかし、東さんの現在の関心はもちろん、茂木さんの期待に反し、福島第一原発観光地化計画にこそある。それもよくわかった。いわく「社交性は、あればいいってもんじゃないですよ!」


 *


東さんのつぶやき、もう1つ。

「初期人類である我々は、脳がつながっていないという残念な事実のせいで、個人が生涯に獲得した膨大な情報をただ死滅させるほかないのです」