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【2019 輪廻転生】

経済

民主主義と資本主義について

最近になって、民主主義が資本主義くらいには困ったものであることと、資本主義が民主主義くらいにはありがたいものであることの、両方に気がついた。目から鱗が2つも落ちた。どうして長い間そう考えなかったのか、むしろ信じがたい。

★殺人ザルはいかにして経済に目覚めたか?/ポール・シーブライト

以下読書メモ。多くは書籍どおりでなく簡潔な文章に変換している。(訳者は山形浩生) <序など>ホモ・サピエンスは、遺伝的につながりのない構成員と入念な分業を行う唯一の種。これが稀有であることを強調し、それがなぜ可能になったかを追及していく本の…

対症療法、信念療法

経済政策は健康対策に似ているとますます思えてきた。「この薬をのめ」「この食事にしろ」「この運動がいい」 いろいろ言われて闇雲にやってみるが、全体の仕組みはさっぱり理解していない。 とりわけ経済対策はエビデンスに乏しく専門家の意見も大きく分か…

★(日本人)/橘玲

asin:B00MG9UH06 この本は書名からいって日本人論ということになろう。しかしなんだか大回りする。進化生物学を通して人間全体を考え、グローバリズムとアメリカを考え、日本のむしろ官僚や政党を考えるといったぐあいに。そして終盤、やや唐突に以下のよう…

貧困と格差が最も問題

この10年で私の考えはいろいろ変わりそして固まったが、その重要な1つは「貧困と格差こそが日本社会における最大の問題であり、その解決がなされていない責任は企業ではなく政府にこそある」! * いくらか関連 ◎http://toyokeizai.net/articles/-/43050 「2…

★中国化する日本/與那覇潤 

こんな面白い歴史本はめったにないのではないか。日本という国は「経済のグローバル化」と「政治の中央集権化」の2つをどうしてもやり抜けない。典型は江戸時代だが、源平の時代から明治維新、大戦、現在に至るまで、建設も破壊も常に ゆるい・ぬるいままだ…

★なめらかな社会とその敵/鈴木健

■全部読み終えて最後の感想人間は、たとえば歩行という実に複雑なことも言語という実に複雑なものも、いつのまにか易易と身につけ楽々と行えるようになった。どちらもただ生息しているだけで備わってしまった。環境のなかに置かれた体そして脳は、環境と触れ…

インターネットのバブルと進化

facebookから(twitterからもだが)余計なメールが毎日来るのは、クリックやリンクというネット上の景気対策だろう。お金の出し入れが無くなったら経済が死ぬように、情報の出し入れが無くなったらネットは死ぬ。 *しかし、「いいね」や「リツイート」は無…

世界を正しくやりくりするために

岩井克人がグローバル経済について面白い視点を示している。『インターコミュニケーション』50号、島田雅彦との対談。先日まとめた柄谷行人の視点(新潮8月号 福田和也との対談)も面白かったが、さらに3倍は面白い。グローバル資本主義というものを、多…

至上経済

●このあいだ山形浩生氏のインタビューが『エキサイト ブックス』に載り、そのなかでクルーグマン氏の著作に出会った衝撃がとても正直に告白されていたので、だったら今度こそと思い、『クルーグマン教授の経済入門』(山形訳)を読んだ。●積年の不景気のせい…