東京永久観光

【2019 輪廻転生】

ペッパーよりソフトバンクのほうが はるかに何をするかわからない


ロボットや人工知能はたくさん出てきたが、マジに人格を感じさせるようなものはまだ1つもないと思う。

また、インターネット全体あるいはタイムライン全体に「人格が生じている」とか、適当なことを私はよく言うが、それはたぶん「人格」の意味のほうの拡張だ。

ところがふと思い起こした。そういえば会社というものは、ずっと昔から人間みたいな人格をもっているではないか。

個々の社員ではなく会社全体としての意志や感情というしかないものが間違いなく形成され表出される。しかもその意志や感情は可塑性がある。時々刻々果てしなく変容していく。会社もまた一定のプログラムだとしても、誰かのプログラムどおりには動いてくれないのだ。そこがロボットや人工知能との決定的な違いだろう。こうなると全体として本当に思考しているようにも感じられる。時には全体として本当に愛もあろう。時には全体として本当にブラックでもあろう。

そもそも「法人」と呼ばれる理由のなかに、そうなる必然があるのだろうが。

なお、これに似て、日本という国家や中国という国家や韓国という国家もそれぞれ人格をまとうように見える。しかしそれは、それぞれの国民の人格と感じられるものの総和を国の名とともに思い浮かべているだけだろう。ところが会社として浮上し機能している人格のほうは、社員の人格の総和とは異なる何かだ。私はそう感じる。(ちなみに、各国の政府であれば会社のごとき人格を有すると言えそうだ) 国家は実在しないが会社は実在するということだろうか?

ロボットではなくインターネットでもなく国家でもないけれど、いかんともしがたい、会社。


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ところで、ペッパー(ソフトバンクのロボット)は19万8千円という。それくらいの月給でお年寄りの話し相手をする人間の仕事はないか。愛の労働。