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【2019 輪廻転生】

日本経済マインドシフト(コントロールというか)


日本経済新聞がインターネット完全掲載を課金とともにスタートさせる。ジェネラルな情報の収集や発信において大手新聞社はどこも先行し、全体を代行できる機関は今はまだないと思うが、少なくともニュースを載せたり読んだりする媒体は、いよいよ名実ともにネットへ急カーブするということだろう。

日経関連のウェブサイトは「日経ネット」以外にも「日経ビジネスオンライン」などが充実している。これは私の家には毎朝メルマガ(無料)が届き、様々な見出しでクリックを誘う。何のきっかけで登録したのか忘れたが、それくらい細やかにしたたかにネット移行の戦略は進められてきたのだろう。今回の課金はハードルが高いが、それでも外堀はもはや埋められて抵抗しがたいのかもしれない。朝日や読売のネット会員(無料)にもなっているが、今のところメルマガはあまり読んでいない。

この10年あまり世相は「経済マインド」とでも言いたくなるものに彩られている(牛耳られている)。そのなかにあって、日経だけは、大手マスコミ共通の「総合力」だけでなく「独自性(すなわち経済)」というプラス要素を、新聞においてもTVニュースにおいても目立たせることができた。「政治」や「文化」という分野だと、マスコミ各社に多少違いはあるが特別どこかが抜きんでているようには見えない。

これは、日経という報道機関が特異だったのか、それとも経済という分野が特異であるということなのだろうか? 私はべつに日経のファンだったとか経済のファンだったという自覚はないのだが。

ジェネラルなニュースはとりあえず押さえつつ、自分の志向に合ったニュースはけっして逃したくない。そんな要請にぴたり応えてくれるニュースサイトを我々は求めている。「経済」や「IT」の志向ならそうしたサイトはもう実現しているかもしれないし、今後は日経がぶっちぎりリードするだろう。では、「科学」や「文学」や「哲学」といった志向はどうなるだろう。だれか確実に応えてくれるのか。だとしたらそれは誰か。そんなことユーザーが悩まなくてもすぐに自動的にそうなるのか?

朝刊の見出しを眺める以上の役割を「Googleニュース」や「はてなブックマーク」が担っている、という人はもうずいぶん多いだろう。やっぱり「Google」や「はてな」が、なんかいろいろやってくれないだろうか…。

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日本経済新聞 電子版」への移行について
 http://netplus.nikkei.co.jp/nikkei/admin/info/info/inf100225.html

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http://d.hatena.ne.jp/tokyocat/20100115/p1