東京永久観光

【2019 輪廻転生】

ニュースの感動

《愛 愛 それは強くて だけど脆くて


 また争いが 自然の猛威が 安らげる場所を奪って
 眠れずにいるあなたに 言葉などただ虚しく
 沈んだ希望が 崩れた夢が いつの日か過去に変わったら
 今を好きに もっと好きになれるから
 あわてなくてもいいよ》「to U」から(桜井和寿作詞)


とはいえ、現実の悲惨な出来事を題材にした歌を、
私が聴いて、
あつく感動したり、涙すら流しそうになるというのは、
どこか根本的にふざけている気がする。


ニュースが、
今そこで進行している「沈んだ希望」や「崩れた夢」を
流しつづけるのであるかぎり、
番組の最後の音楽で
感動なんかしてはいけないのだ、本当は。


それこそもっと、
楽器くらい投げつけて壊したくなるにちがいないし
スタジオにたとえば肥桶でもぶちまけたりすべきなのだ。
(予定調和の見せ物ではなく)


ニュース原稿など深刻そうに読むだけでなく、
筑紫さんと草野さんが怒鳴りあったり、
スタッフ含めて終始叫び続けているくらいが
まだ少しはマシなのではないか。


世界は時には救いがたい。
日本も時には救いがたい。
戦争も災害も貧困も救いがたい。