腰に激痛が走った。
顔が洗えない。ゴミが拾えない。靴紐が結べない。
しかし歩けないほどではなく、
素知らぬ顔で仕事に出かけたが、
ソファーで打ち合わせがすんでも、
なかなか立ち上がらないので、
まだ何か用があるのかと相手に思われる。
このビルのトイレがすべて和式だったら
一体どうしたらよいのかと恐怖する。
安静が一番とのこと。
きょうは合法的な休日だし、横になることにする。
というか、不景気の今、どうせなら世界中が
当分のあいだ「毎週水曜は休業」と定めてはどうか。
じつは明日は飛行機に乗らなくてはならない。
もしその機がエンジントラブルを起こし、
パイロットの機敏な判断で奇跡的に着水できたとしても、
ただ一人、席から逃げ遅れてしまうのではないかと心配だ。
日本語オノマトペ辞典によれば、
「ぎっくり」とは
「(音)角立ったものがこすれたり、関節を動かしたりするときにたてる音。
ごきっ」などとある。
今はもう「ぎくっ」より「しくっ」の感じなのだが、
「しっくり腰」と言うと、ちょっと意味がおかしい。