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【2019 輪廻転生】

本格読書


本格小説』(水村美苗)読み終えた。いやあ面白かった。

まずややネタばれなので、未読の方は読まないよう。日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。これってつまり叙述トリックではないかと驚いた。読むなって言ったのに。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。

次は逆に、未読の方にぜひ知らせたいこと。冒頭に人物相関図があるが、物語の展開を先に知ることになるので見ないほうがいい。この小説が下敷きにした『嵐が丘』を以前読んだとき、その過ちをおかし損した気分だった。ただ『嵐が丘』の人間関係は図なしには把握しきれなかったとも言える。『本格小説』はそこまで複雑じゃないので、見なくても大丈夫だ。

感想はまた改めて。