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【2019 輪廻転生】

『九十九十九』

舞城王太郎は、三島賞選考後の記者会見にも姿を現わさなかったという。「舞城王太郎という作家は実在しない。舞城作品はすべて、実在する別の作家が執筆しているのである」という解釈は、未だに可能性を残しているわけだ。そしてもちろん「舞城王太郎とは清涼院流水なのである」。『九十九十九』はそれを指し示す目的で書かれた。●まだ読書途中である私は、もう一人の無茶な探偵として、作品に支配されながら実は作品を支配していく、最も隠蔽された真犯人にも見立てられる。●『九十九十九』の真作家は誰だ。あるいは真作者は誰だ。