東京永久観光

【2019 輪廻転生】

藤原新也『印度放浪』


旅行記というのは読むだけでなく論じる対象としても面白い。それで、藤原新也沢木耕太郎蔵前仁一小林紀晴、猿岩石という系譜を想定してまとめ読みしたことがあった。以下はその個人企画で読んだ藤原新也『印度放浪』のメモ。わざとらしくも批判的なのは、そのせい。

さて、この手のまとまりなく長いテキストまでブログにアップしだすとキリがない。ところが一方、読んだ本のことはブログという網に引っかけておかないと自分でも整理がつかない気がしてきたのだ(私たちはなんだか遠いところまで来た)。そうかといって、ブログのために改めて文章をまとめるのでは、けっこうな時間を食ってしまう。こうした読書メモを軽く水洗いしてささっと切り刻んで、それで用が済むなら、それに越したことはない。

本はいわば「ミームの適切な単位」とみなすことができる。だから、さまざまな一冊についてそれぞれ感想などまとめておくと、使い勝手のよいデータとして貯まっていくだろうとの期待が、そもそもある。時事ニュースも同じくミーム的だが、内容が変化せず始まりと終りもはっきりした書物のほうは、なにかものを言う対象としていっそう適切とも言える。(それでふと思ったが、ソーシャルブックマークこそ、今まさに「ミームの単位」として非常にうまく機能しているのかも)

以下長いのに、前置きも長くなった。


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藤原新也『印度放浪』(朝日文庫) ASIN:4022607742

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