東京永久観光

【2019 輪廻転生】

乳と卵 の検索結果:

★夏物語/川上未映子

…は2008年芥川賞「乳と卵」以来だが、「夏物語」も、ああ乳の話か、しかも卵の話か、と思いながら第一部終了。 というか、たしか「乳と卵」って、登場人物や全体の雰囲気が、そうこの「夏物語」っぽかったなと… ひょっとして「夏物語」第一部は「乳と卵」の再掲だったりして? いやいや… とはいえ「乳と卵」が具体的にどんな内容だったか、もう思い出せないことに驚かざるをえない。これほどの忘却、やはり脳の障害を疑うべきか。面白さのトーンは確かに一致していると確信できるからいっそう脳は不思議。 …

ボケましょう

…れない。川上未映子「乳と卵」(asin:4163270108)は、豊胸手術のために中学生の娘も連れて上京してきた姉について、その妹が語っている。すなわち姉がボケで妹がツッコミ。出来事や行動が描写されるのは姉のほうで、それについて考えているのは妹のほうだ。だから、姉については内面が今いちわからず、妹については外面が今いち分からない。語り手の妹は自分の仕事や交友についてまったく語らないのだ。そこがちょいと寂しい気がした。寂しいのはいいとしても、語り手がツッコミに徹してボケにまわら…

アサッテの人

…下半期の川上未映子「乳と卵」なら、まさに「今日の芥川賞」に相応しく、文芸業界の戦略としても適正に思われる。asin:4163270108というとなんか悪口みたいだが、「乳と卵」はもちろん面白かった。カレーやチャーハンを食べながらでもすいすい読めたというか。とはいえ、カレーやチャーハンのように中身はろくに気にせず食べてしまったという小説ではない。あれこんな素材が入っていたのか、この作家は料理する(文章を書く)ということをこんなふうに位置づけているのか、といった気づきも多かった。…