<ヒトだけが知性をもつ。言語がその基盤>
個人的にそう確信しているが、以下のような記事を読むと、ちょっと揺らぐ。
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/20/052700318/?rss
「動物たちの多彩なフェロモン、女王蜂の支配から猫のすりすりまで」
現在の言語は、音という物理的なものにとどまらず、記号自体として操作でき、おかげで仮想的な事象を記述でき、メタ的な認知も展開できる。そこは匂いより優れているように思える。それとも、匂いも同等の記号たりえるのか?
反対に、言語はたとえば「私は30%怒っています。20%悲しんでいます。50%あきれています」(たとえば安倍晋三)というふうに1つずつ順に伝えることしかできないが、匂いなら、この感情を3つの匂いのミックスにして瞬時に放出して表せるのだろうか?
実際のところ、人間の複雑な思考や知識には複雑な言語が不可欠、とは言えるだろう。しかし複雑なのは人間の思考や知識だけではない。人間を含めた生物の生態もまたものすごく複雑だろう。そっちの複雑さは、むしろ匂いなどの化学物質の複雑さのほうが担いやすい、ということがあるかもしれない。