東京永久観光

【2019 輪廻転生】

川上量生☓松尾豊☓井上智洋 鼎談

「デジタル・レーニン主義」という用語があるそうだ。中国などの全体主義の国がAIを使って人々を統治するような文脈。文藝春秋3月号の川上量生☓松尾豊☓井上智洋お三方の鼎談で。

実はこの文春、芥川賞「ニムロッド」(上田岳弘)を読もうと思い手にした。「ニムロッド」はビットコインが絡んで似た領域に探りを入れている。さて、きょうび、フィクションは現実を超えて面白くなりうるのか。どっちのページをめくるほうがワクワクするかがその答だ(だから私は答を知っている)

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「人間がみなヘッドセットを付けてVR(仮想現実)空間で生活し始めたら、片付けは不要になります」という川上量生さんは、近藤麻理恵さんより、すごいかもしれない。しかしそれより感動的だったのは…

AIは言語は苦手といわれるけれど、「記号(シンボル)が実世界で指すものとどう接続(グラウンド)しているのかという、シンボル・グラウンディング問題は、《私は近いうちに解決できると思っています》と松尾豊さんが言い切っていたこと。