映画『blank13』をDVDで視聴。まるで華のない救いのない弔いの席が、図らずも、様々にタガが外れたネジが緩んだ人物たちの、さながら博覧会へと展開! しかしそれらすべてを上回って、なぜかどうしても、そのどうしようもない人格にずるずる心を奪われざるをえない男が、リリー・フランキー。
『万引き家族』のリリーと甲乙つけがたい。ただ、『万引き』のリリーは「実は悪の顔が隠れているのかも」だったのに対し、『blank』のリリーは「実は善人の顔が浮かんできました」だった。でも、そんな綺麗な話を信じろと? いや、そんな綺麗な話を信じよう。
この映画全体を覆っている寂れたような白けたような極めて独特の雰囲気は、斎藤工という役者の個性からは想像できなかった。齊藤工という監督の個性なのだろう。
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