東京永久観光

【2019 輪廻転生】

★キュー/上田岳弘


 新潮 2017年 10 月号


上田岳弘「キュー」第1回をやっと読む。新潮10月号。

原爆と第九条に言及。

かと思えばトランプまで大げさでもなく登場。

「私の恋人」に点描されていた多種の要素がやはり満を持して長いストーリーで展開していくのかという期待。

浮かんでくるテーマと言うなら、つまり「サピエンス全史」か…?

コールドスリープもシンギュラリティももはや前提の時代のようだが、第1回の最後には、世界の正しい進路をめぐって対立しているらしき2つの勢力の存在が示され、主人公らしき人物がその諜報活動に巻き込まれるのは、スパイ小説っぽくもあった。

その2つの勢力の戦いというのが、グーグルのエンライテンドVSレジスタンスを思い出させる。啓発か、抵抗か。人間と社会が導かれるべき指針はどちらなのか、みたいな? 

(…ひるがえって、今度の総選挙も、それなりに啓発VS抵抗の激突なんだろうか、さてどうなんだろう。

いやじつのところ、傲慢VS頑迷の激突?)