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【2019 輪廻転生】

左派とされる津田さんと非左派とされる東さんが、こんなに楽しくこんなに厳しく議論できるのだから、枝野さんと前原さんも同じように議論すればよかったのに。もう遅いけど。


http://live.nicovideo.jp/watch/lv307276682
ニコニコ生放送津田大介×東浩紀「緊急開催! 衆議院選挙に大義はあるのか! リベラルはどうなるのか!)


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木村草太氏の、憲法の条文の正しい意味は憲法学者だけが知っている、とでもいうような姿勢は、絶対に間違っている、と東浩紀さんは激しく非難していた(先日の津田さんとのニコ生で) つまり、憲法の文章なんて一般の国民が常識的に読み取れる意味であるに決まってるだろう! という憤りだ。

そして、かねてより、東氏は、木村氏のことを、まるで「神学者」だ(神の言葉の意味は私たちだけが正しく解釈できる)と言っている。

要するに、憲法は国民のものであり憲法の意味も私たち国民が決めようよ、と。そして、憲法の文章も私たちが決めればいいし、条文を維持しようが変更しようが、私たちの総意がそうであるなら、誰かエライ人に断罪される筋はない、ということ。安倍さんであれ、木村さんであれ、志位さんであれ。

さらに東氏は、自衛隊の実体は第9条にそぐわないと国民の多くが考えているのだから、改憲は不可避ですよ、と述べている。ただし、東氏は一貫して安倍政権をまったく支持せず、安倍政権による改憲は良くないという考えも明白に述べている。その理由は…

安倍政権は現在の日本に決定的な分断を生み出してしまった政権だから、という理由が大きいようだ。さらにもう1つ、憲法改正が外交に及ぼす影響が安倍政権下であれば非常に悪いものになる、という理由も大きいと考えているようだった。これらは私にとっては初めて知った見解で、意義深く思われた。

たしかに、日本社会や国民の考えは、ここ数年で、あれよあれよとに分断されてしまった。気がついてみれば、敵か仲間かの、真っ二つ。それはアメリカやイギリスやフランスやカタロニアの人たちがそれぞれ真っ二つに分断されたのと同じようにだ、とも東氏は言う。たしかにそのとおりかもしれない。

この世界はいくらひどくても何の根拠がなくても私の世界であり、嫌いよりは好きが上回るのと同じように、この日本がいくらひどくても何の根拠がなくても私の国であり、嫌いよりは好きが上回るのだから、分断しないほうがいい。でも分断してるよね。

分断なんて何十年も前からだろうか? 昔はそうでもなかったと私は感じる。少なくともこれほど過剰に可視化されてはいなかった。そして先ほどの話に戻ると、安倍政権が嫌いだ嫌いだと私は根拠がほとんどわからず言ってきたけど、まさに「分断を生み出した政権だから」が1つ正解なのかもしれない。

「いや、分断を生み出したのは、安倍政権ではなく、実際のところ、野党だろ!」という反論はすぐに思い浮かぶ。しかも、それも同時にまったく正解だと感じられてしまう。