東京永久観光

【2019 輪廻転生】

空海と救済


このあいだ『ブラタモリ』が高野山を訪ねていて、行ってみたくなり、そろそろ「空耳アワー」かなと思っても始まらず、「タモリさん 曼荼羅ってどういうものか知っていますか」と聞かれ、すんなりと答えたタモリに敬服し、空海と古代の仏教への憧れが生じ……

空海は学問に特別秀でていたそうだ。そのころは仏典にこそ真理があると考えられたのだろう。だからそのころは仏僧こそが賢者であったのだろう。そして彼らが思い描き、探し求めた、なにごとかの、究極の目的というなら、「人々の救済」だったのだろう。宗教も科学も政治もいわば1つのことだった。

じゃあ今はもう「救済」なんて用済みになったのかというと、そうでもないだろう。宗教、科学、政治はそれぞれ分担された救済を目指しているのだろう。精神の救済とか、理性の救済とか、生活の救済とか。