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【2019 輪廻転生】

心の世界が言葉で出来ているのなら


猫の心の複雑さは猫Aと猫Bでさほど違わないようにみえる。

人の心はどうか。

本来は、人Aと人Bで、同じように複雑なのだろう。

ただし人の場合、使う言葉の複雑さが、人によって大きく異る。

したがって、心の世界が言葉と無縁なら、人はみな似ているだろう。

でも、心の世界が言葉で大きく揺れるのなら、そうではなくなる。


<応答として> ネコやカラスも「いいね」と「いやだね」くらいは鳴き分けるのかも。でもたとえば「うまいツナ缶はたまにしか出てこないけど、たまにしか出てこないからといってうまいツナ缶とはかぎらない」は、ニャアやカアではなかなか扱えないのかも。逆・裏・対偶の区分けは、人間も苦手ですけどね


*「人の心が言葉に依って形成される」という思いは、斎藤環『生き延びるためのラカン』を読んだところなので、特に強い。
 生き延びるためのラカン (ちくま文庫)