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【2019 輪廻転生】

★勉強の哲学/千葉雅也


 勉強の哲学 来たるべきバカのために


千葉雅也『勉強の哲学』。敷居の低さが至高。中谷彰宏の本と変わらぬほど。いや中谷こそただのバカではなく来るべきバカなのかもと永遠の無根拠性にも陥る。とはいえ紙一重で私が中谷本でなく千葉本を信頼するところには、私の個人的偶発的ツイッターフォロー的出会い、すなわち享楽があるのだろう。

アイロニー・ユーモア・享楽」という三角形の勉強原理が、エレガントに浮上していく流れは、実に感動的。そして「そういえば自分もいくらかそんなふうにやってるんじゃ?」という気づきが、日本中の凡庸な無数の勉強オタク(懐疑と連想の愛好者)を、ひそかに勇気づけているに違いない。