https://wan.or.jp/article/show/7073
《上野さんの目線はあまりに、国家中心主義的》《 自由民主主義国家において、生まれの特権は否定され、少なくとも業績主義の原理が貫かれているなかで、なぜ、国籍だけが(…)「生まれ」によって決定されるのか》
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上野千鶴子さんの発言をめぐり、そもそも国民と移民って何が違うんだっけ、といった、触れるべきだが触れたくない原理的難問がくっきり可視化されてきた。こんな大変なテーマなのに、炎上に終わらず、けっこう我慢強い議論が続くのは、上野さん個人への長く強い信頼が界隈にあるからだろう。
この難問に、東浩紀さんは、共産主義ではない新しい普遍主義が求められる、といった主旨のツイートをしている。それってひょっとして実現されざる真の共産主義なんじゃ? という思いが一瞬頭をよぎった。「多くの人が共産主義を拒絶するけど、実は旧ソ連や中国や日本共産党が間違ってるだけ」説。
私と上野さんとが日本の民として同等に自由であるべきだという原理すら、「でも無理だよね」と諦めざるをえないところに、アメリカの人と中東の人が世界の民として同等に自由であるべきだという原理など、「もとから無理だろ」と一蹴するトランプに、本音では世界の誰も何も言い返せない。
私たちは、原理的な自由や原理的な平等を夢みながら、それが夢でしかないという現実を生き、それでも夢のなかにまどろみ、夢についてツイートする。それをトランプは確信をもって嘲笑し軽蔑していることだろう。その嘲笑と軽蔑に私は今のままでは対抗できない。新しい普遍主義は現実たりうるのか?
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宇宙船国家号
https://twitter.com/iida_yasuyuki/status/833317634015760384
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完璧な解説そして打倒
【SYNODOS】脱成長派は優し気な仮面を被ったトランピアンである――上野千鶴子氏の「移民論」と日本特殊性論の左派的転用/北田暁大 / 社会学