読んでいてずっと、おもしろくなりそうなんだけど、どこかパンチが効いてこないままだった、というか。
前に「消滅世界」も少し読んだのだのと合わせていうと、ヘテロではないがLでもGでもBでもTでもなく、いわば無というか草食のきわみというか、この作家はそうしたセクシャリティーを指し示そうとしている気がして…
それはコンビニとかファミレスとかがひたすら性に合う現代日本住人だけがひっそりしっかりうなずけるものであるような気がして、だからこそ面白くなりそうなのだが、それでもどこか「つまった当たり」(野球用語)で、さらに先を期待している状態。
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(12月31日)芥川賞をとって紅白の審査員になる。なんという夢の実現!