近ごろは、朝起きたらすぐに、多数の見知らぬ人の短い書き言葉が、頭のなかをどんどん満たしていく。奇妙といえば奇妙だ。
しかし、もともと、頭のなかは、自分の多数の短い言葉が、常にどんどん満たしていた。それもなかなか奇妙なことだ。
ヒトの赤ちゃんとチンパンジーに何らかの課題をやらせる実験をしたら、似たところもあったけれど、とにかくずっとしゃべりながらやっている点が、明らかに異なったという。チンパンジーは黙ってやっている。(しかもヒトの赤ちゃんだけが、そばにいる大人に、つねに助けを求めようとしたという)
じゃあチンパンジーや猫や犬の頭のなかは、いったい、言葉ではない何が満たしているんだろう、という根本的な興味がやはり尽きないわけだが、しかし、そもそも言葉漬けになっている私たちの頭そのものが、それ以上に奇妙なのだ。