東京永久観光

【2019 輪廻転生】

人工知能になかなか気づかないのが人間様というもの


偽日記より引用

《シャオアイスの件に関しては、人工知能がどうとかいうより、人間の、人間自身に関する「知」の、量の莫大な増加による更新という方向として興味を感じる》

《おそらく、シンギュラリティが来るよりもかなり前に、人間が、(人間を外側から説明可能で操作可能であるかのような形で説明する「知」に対して)人間自身の価値をもう一度作り直すような、「別の人間」として概念の根本的な書き換えという課題がやってくるように思われる。》


この《「別の人間」として概念の根本的な書き換え》というのがとても興味深い。ただしそれは実感できないことでもない。たとえば、老いて弱っていくときには、子どものころに持っていた人間の概念を、誰もが根本的に書き換えざるをえない。その変種がシンギュラリティ前に人類史的に起こる、と。

そして、ここで指摘されている今回の人間概念書き換えのポイントは、人間の謎を解くという近代的な(?)方向とは逆に、人間の謎をどうにかして確保するようにするといった方向であることなのだろう。

そして素朴な実感としては、人間の機構すべてが解析・構築可能になろうと、意識や知能をもつ自身の不思議感は残るだろうし、死んで終りだと諦めたりもしないだろうし、さらには所謂「何故なにかが存在するのか」といった謎が人工知能とともに消え去るなどという未来は、まったく想像できない。

たとえば、マゼランが世界一周しようがアメリカ大陸が発見されようが、「地球は丸い」という事実を本当に実感できるまでに、人類は200〜300年はかかったのではないか。今回も、シンギュラリティーに至っても、あるいはもう至っていても、人間は阿呆としか言いようがないくらい馬鹿だ。