東京永久観光

【2019 輪廻転生】

21世紀に蘇ったラプラスの悪魔!  

  
https://twitter.com/hazuma/status/604823023498235904
《いまのぼくの考えは、(1)ビッグデータなどの登場で世界の「宿命」感はますます増している。(2)日本でもなにも変えられない感は震災前より強い。(3)絶望した人間の暴発は起こる、ただし社会は共感しない。(4)グーグル的政治は無理(一般意志2.0読んで)》(東浩紀


たとえば2020年の東京がどんなふうになっているか、世界がどんなふうになっているか、自分がどんなふうになっているか、おおよそは予測できてしまい、受容しがたいが、回避もしがたい。ビッグデータはあまり間違わない。ビッグデータは現在と未来の区別をあまり区別しない

それとは別に、1億人の民主主義などというものが明らかなフィクションであることを、日本社会は十分に学んでしまった。だいたい1億なんて数は誰だって数えたことも見たこともない。人間ではないコンピュータだけが1億人というリアルを知っていて、全体のふるまいを予測できる

とはいえ、もともと人間だけは未来をいくらか予測しながら生きる動物。子どもが成長し何年先には就職とか。親が年老いて何年先には死亡とか。この会社にこのまま勤めたら貯金(または借金)はどれくらいかとか。予測は当たりまえ。というかむしろ予定。ビッグデータはその究極計算ができる。

自分が読むべき書籍も楽曲も自分よりビッグデータのほうがよく知っている。たぶん将来そのとおり読んだり聴いたりするのだろう。

◎参照:定額制音楽配信AWA」の衝撃、舞台裏をトップが語る  
 https://twitter.com/hazuma/status/604823023498235904

だいたい、安全保障関連法案だって、特別委員会の賛否が結局どうなって、本会議の賛否が結局どうなるかくらいまでを、予測できない国民はいない。

私はビッグデータなのか!

今日の行動も、週明けの行動も、1年後の行動も、だいたい予測できて、変えたいのはやまやまだが、たぶん変えられない、変わらない。

ついでに、このあとのタイムラインがどうなるかも、ビッグデータなら今すぐ予測してくれるのではないか。

(このように自らを振り返ると、それに比して他の動物が未来をまったく予測しないで生きていることがあまりにも衝撃的だ。猫は数年後に死亡することを予測しないだろう。数時間後にまた空腹になることすら予測しないのではないか)

その一方、ビッグデータ的全体一覧図という世界観に対抗するには、現在か過去のある1点に永遠にとどまり続ける(永遠にそれを考え続ける思い続ける)という方法なら可能かもと、気づく。面白いのはどちらも現在しかないこと。過去も未来もない。(さらに面白いのは、猫などはもともとたぶん現在だけを生きていること)

そして、さらに気づくべきはこれだ。――そうではありながら、じつは明日の天気は結局わからないし、地震や噴火がいつ起こるのかも結局わからない。その実感(諦観)はビッグデータ的未来予測に対する諦観と釣り合うのかもしれない。生身の生にとって、そもそも明日や来年は、今日や今年では、絶対にない!