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節足動物と脊椎動物が進化的に縁遠いのに似たような目を持つのは、節足動物系の目につながった遺伝子のセットが、太古に、まるごと、脊椎動物系のゲノムに入り込んだからではないか、という仮説を紹介していた。
しかしそれは、そうした遺伝子セットの移植などが起こらないかぎり別系統の生物が同じような目を持つことなどほぼありえない、という前提があるのだろうか? そんなことはないのだと思っていたのだが…。
たとえば、虫も飛ぶし、鳥も飛ぶし、トビウオもムササビも飛ぶが、みな生物としては別系統だ。だからといって、「それは、ある遺伝子セットがまるごと移行したからだ」とは考えられていないと思う。(これは進化における「相同か相似か」という話か)
あるいはやはり、この地球の長い長い広い広い生物進化においてすら、眼球などという極めて有益な形質に結びつくような遺伝子の変異などは、たった一度くらいは偶然起こったとしても、何度も起こることは考えにくい、ということなのだろうか。
案外そうかもしれない。これは、DNA型生物しか(少なくともこの地球には)存在しない理由と同じかもしれない。様々な分子の様々な結びつきが無数に起こったけれど、これほど繁栄することが可能だった生物の「もと」はDNAだけだった、ということが十分考えられる。
それにしても、そうすると、地球から遥かに離れた星に何らかの生物が存在した場合、DNA型以外の生物との遭遇になりそうなので空前の驚愕になるだろうが、あるいは万一それがやはりDNA型だったりしたら、それを上回る圧倒的な驚愕になるはず。節足動物と脊椎動物の目の一致どころではない。