東京永久観光

【2019 輪廻転生】

福島について/沖縄について


小林よしのり×宮台真司×東浩紀「日本を変えるにはテロしかないのか?」(ゲンロンカフェ)をニコニコ生放送で視聴した。

 ◎http://live.nicovideo.jp/watch/lv212735192


=以下はそれを郷里福井の身内や知人に勧めたメールから=


沖縄の基地、福島の原発テロリズム それぞれについて、3人とも強烈で個性的な意見を吐いており、非常に面白く、また勉強になります。

沖縄の基地は日本の防衛上は不要なんだという見解も出てきます。

サイトへの登録が必要で、しかも800円ほどかかるんですが、ごはんを1食抜いてでも、お勧めします。

福島の復興については、東浩紀開沼博と共闘しつつ、私からみて最も冷静・賢明な考えを示してきたと思っていますが、ここにきて2人の考えが少し離れてきたことを感じさせる発言(東氏の)もあり、それもまた興味深いものでした。

そして、福井県もいよいよ原発廃炉および再稼働という両方の問題に直面しますね。私もいくらかは原発を意識しながらずっと生きてきて、今も思うことはいろいろありますが、ともあれ、かつては原発の存在なんてまったく揺るがないんだろうなと思っていたのに、これほどの大きな変化(停止したこと自体や さらには廃炉や再稼働といった変化)が、否応なくの形であっても、現実に福井県原発にもたらされたのだなあ、というのが一番の実感です。自分が生きてきた中で最大の社会変化かも、と思うわけです。


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対談で、東浩紀は「帰還困難地域をそのままにしておいて、そこを貫く国道6号線常磐自動車道だけを開通させ、それで復興を装うなんていうのは、異常だし、神経を疑う」という主旨の怒りを表明しています。

ここには「放射線の健康への被害がそれほど大きくないことが科学的に言えたとしても、それでも安心だとは感じられず帰還できない地域がこれほど大規模であることはまったく別の問題であり、それこそが重大な問題である」という主旨の認識があります。

東浩紀は以前から「福島第一原発観光地化計画」を提唱し、その運動では開沼博(『はじめての福島学』の著者)も同じ言動を示してきましたが、上記のような現在の東の怒りや考えには、現在の開沼博は同調しないだろうと思います。

そして、まさにこうした感覚の差にこそ、私は、原発の是非や福島の復興を議論する核心があると思います。


「沖縄にいる現在の米軍海兵隊は、日本が有事のときにただちに出動する部隊ではないがゆえに、普天間にいる必要はなく辺野古にいる必要もない」という主張を、宮台真司がしていました。私は詳しくないですが、それが本当なら、基地は辺野古でなくても越前海岸でもいいしグアムでもいいことになります。

ただ私は、沖縄県知事と日本政府との齟齬の問題は、見かけの理論や主張ではなく、その陰にある本音を踏まえて理解する必要があると思います。その本音が何かをもっと知りたいわけです。


小林よしのりは、自国の軍ではなく外国の軍が守る日本は「国として正常ではない」という主旨の信念を今なお強く持っているようでした。たしかに、沖縄の基地も安保の是非も自衛隊のあり方も、そこを曖昧にして議論するのはナンセンスだと私も思います。

ただ、「日本が戦争に巻き込まれないためにはそこを曖昧にして議論したほうが得なのだ」ということも思います。


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ところで:国防を外注してはならないという感覚は、性愛を売買してはならないという感覚と、わりと似てるよね。