東京永久観光

【2019 輪廻転生】

モンゴル赤羽ヒートテック


モンゴルの草原で鷹匠を目指して修行する13歳の少女が、昨日NHKの番組で紹介されていた。

http://www4.nhk.or.jp/ichiban/x/2015-01-29/21/24439/

ふだんは学校でみんなと遊んでいるのに、週末になると父の案内で荒涼とした斜面に厳しい表情で一人立つ。ほっぺが赤い。

イヌワシは優美。キツネに襲いかかる瞬間は息をのんだ。キツネは住居に持ち帰ってすぐに皮を剥ぐ。家族には日常の光景のようだが、番組案内役の日本女性は涙をこらえ目をそむけずにはいられない。撮影を終えた別れの日、少女の母親はその大切な毛皮を贈ろうとしてくれるが、「気持ちだけありがとう」と返事する。

最近テレビなんてユーチューブかワンセグで十分と思っているわけだが、こうした番組は高画質の大画面で見るに値する。

……というか、いや、そんなことより、日々の遊牧生活とか週末の鷹匠生活とか、日々も週末もインターネット生活しかしない私からすれば、ただただカルチャーショックだ。そしてそれは、イスラム国という存在を想像することに負けないほどのカルチャーショックだった。そのことを最も訴えたい。

……とおもったら、さっき『山田孝之東京都北区赤羽』(テレビ東京)では、なんと赤羽の鷹匠が出てきた。それどころか、なぜかその鷹匠は「私の彼女を探してくれ」と山田に迫っている。どうなってんだ、この番組。

http://www.tv-tokyo.co.jp/akabane/

モンゴルの草原には行ったことがある。観光旅行とはディスコミュニケーションをわざわざ体感しに出向くものなり。そんなネガティブなようなポジティブなようなネガティブな結論に達したのはその時だ。その考えはずっと変わっていない。そして、モンゴルの続きを赤羽で味わえるかもという期待。

山田孝之東京都北区赤羽』のいかがわしさは、ドキュメンタリーのいかがわしさそのものだ。その毒の味については、あとでもうちょっと書く。

◎最初の衝撃: https://twitter.com/tokyocat/status/556124997408669696


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それと、ちょっと思いついたことがある。あの13歳の鷹匠少女にはヒートテックを着て狩りをしてもらい、ユニクロのCMに出てもらうという案はどうか。これは皮肉もあるがマジもある。近ごろ文化的・社会的にリスペクトされる人物がヒートテックについて語るCMが目をひく。あの語りは完全なウソ演技とは言いがたい。私にはそう見える。それは、モンゴルの鷹匠少女が完全なウソ演技をしているわけではないことや、山田孝之が完全なウソ演技をしているわけではないことと、さほど違わないのではないか。


さらに。イスラム国の戦闘員は、グローバル企業のユニクロと交渉し、ヒートテックを着用したコマーシャルメッセージを作ってユーチューブで流せ。それで稼げ!