人生であれ社会であれ、これで完璧オーケーという状態になったことは一度もないしこれからもないのだ。
だからときに人は もがく。芸術や学問で もがく人がいて、それは大いに感動をもたらすことがある。
政治や事業で もがく人もいる。くだらない政治や事業もあるが、つまらない芸術や学問もあるので、政治家や事業家だけをことさら蔑まなくていいのかもしれない。総選挙の立候補者は、芸術や学問をする人と もがき方が少し違うだけだとも言える。
なお、芸術や学問や政治や事業といった もがき方をする人が多いわけではない。メリハリのきいた もがき方を見つけられず、もっと雑然と漠然と もがいている。せいぜい恋愛をしたり旅行をしたり喧嘩をしたり。あるいは、もっともっと もがきたいだろうに、黙って もがかないままの人も大勢いると思う。それから面白いことに、そもそも もがくなどということをまったくしそうにない人もまた大勢いるようで、それはそれで素晴らしいような、救いがたいような気にさせる。
君が神様なら、あらゆる もがく人を、そして もがかない人をも、等しく愛おしむ。でも君は神様ではないから、そうも言っていられない。そして、誰も神様ではないので、誰もなかなか君に神様のようには接してくれない。
……まあしかし、きょうも休みだ。
