東京永久観光

【2019 輪廻転生】

思考と言語


思考と言語はどう関係するのか。
これは当然ずっと気になっていた。


そのとき、
思考と言語は両方とも、
意識というか脳というか心というか、
なんらかの同じ土台に同じように生成される現象だろう。
そう捉えていた。


ところが、この間ふと気がついた。
思考はたしかに脳や心の中で起こる現象だろう。
しかし、言語は、少なくともその一部は、
脳や心の外にある。
明瞭に固定された記号としての実体(音声や文字のこと)が
あっちにもこっちにも無数にあるではないか。


そして、様々な言語は、
脳の中に既に築かれた様々な思考のトリガーである。
様々な思考に該当する様々な脳内現象を繰り返し誘発する。


しかも、様々な言語は、
脳の中に新たに築かれる様々な思考のトリガーになる。
様々な思考に該当する様々な脳内現象を新たに生成する。


私たちがある特定の言葉を読んだり聞いたりするとき
なんらかの思考が起こるのは、
そういう仕組みだ。


私たちがなんらかの思考を起こすとき
ある特定の言葉を言ったり書いたりするのは、
そういう仕組みだ。


そういうことだ!


チョムスキー先生、いかがでしょう?
「英語で言って下さい」(上智大学
普遍文法も大事だが、そもそも普遍会話が成立していない人類の現状。


 *


〈追記〉


「様々な言語は、
 脳の中に新たに築かれる様々な思考のトリガーになる。
 様々な思考に該当する様々な脳内現象を新たに生成する」
 と上に書いた。


今ひとつ核心がぼけていたと思うので、以下のように言い換える。


「様々な思考が、脳の中で、新たに築かれるとき、
 そのアンカーとして
 様々な言語が、脳の外で、新たに言われたり書かれたりする」