思考と言語はどう関係するのか。
これは当然ずっと気になっていた。
そのとき、
思考と言語は両方とも、
意識というか脳というか心というか、
なんらかの同じ土台に同じように生成される現象だろう。
そう捉えていた。
ところが、この間ふと気がついた。
思考はたしかに脳や心の中で起こる現象だろう。
しかし、言語は、少なくともその一部は、
脳や心の外にある。
明瞭に固定された記号としての実体(音声や文字のこと)が
あっちにもこっちにも無数にあるではないか。
そして、様々な言語は、
脳の中に既に築かれた様々な思考のトリガーである。
様々な思考に該当する様々な脳内現象を繰り返し誘発する。
しかも、様々な言語は、
脳の中に新たに築かれる様々な思考のトリガーになる。
様々な思考に該当する様々な脳内現象を新たに生成する。
私たちがある特定の言葉を読んだり聞いたりするとき
なんらかの思考が起こるのは、
そういう仕組みだ。
私たちがなんらかの思考を起こすとき
ある特定の言葉を言ったり書いたりするのは、
そういう仕組みだ。
そういうことだ!
チョムスキー先生、いかがでしょう?
「英語で言って下さい」(上智大学)
普遍文法も大事だが、そもそも普遍会話が成立していない人類の現状。
*
〈追記〉
「様々な言語は、
脳の中に新たに築かれる様々な思考のトリガーになる。
様々な思考に該当する様々な脳内現象を新たに生成する」
と上に書いた。
今ひとつ核心がぼけていたと思うので、以下のように言い換える。
「様々な思考が、脳の中で、新たに築かれるとき、
そのアンカーとして
様々な言語が、脳の外で、新たに言われたり書かれたりする」