東京永久観光

【2019 輪廻転生】

進化元年へ



2014年から私の元号を「進化」としよう。



アリもフジツボもサンゴも殺せない奴


http://www.youtube.com/watch?v=IGJ2jMZ-gaI

アリの巣にアルミニウムを流し込む動画を見て思った。

「これはしかし、生物としての良心が痛む」

このとき私は何を感じているのか、考える。

アリは人間のような心は持たない可能性が高い。でも人間はしばしばアリをなかなか殺せない。同じくロボットも人間のような心は持たない可能性が高い。でもやはり人間はロボットもなかなか殺せ(壊せ)ないだろう。不思議といえば不思議だ。なぜだろう。

アリやロボットが人間の姿に似ているからか。それは一部あるだろう。しかし、ではロボットや昆虫の姿が人間とはまったく違っていれば平気で殺せる(壊せる)のかというと、そうではない。冷蔵庫や自転車を壊すのは平気だろうが、虫や草はそうでもない。

ちなみに、こういうことを考えるとき、進化心理学的に考察するのは最近の流行りのようだ。ヒトは他人を思いやる心を持ったから生き延びたのだとか、ヒトが生物を殺せないのにどんなメリットがあるのかとか。しかし、こうした考察がそれほど決定的だとは感じない。その前に、そもそも自分は何が楽しくて何が嫌なのかという心理自体の分析がまず必要だろうし、そのほうが身近で面白い。

というわけで、生物を傷めつけることについて自分の気持ち自体を、さらに考える。

たとえば。フジツボは動物らしいのだが、フジツボを殺す(壊す)ことを想像しても、少し良心が痛む。しかしこの気持ちはアリを殺すとき良心が痛むのとはやや違う。「万物の創造」といった大きな現象が深遠に感じられ畏れているのだと思う。

なお、サンゴを殺す(壊す)のが「いけない」という気持ちもまた、フジツボを殺すのが「いけない」という気持ちとはやや違っている。サンゴを殺すのが「いけない」のは、現在の社会や文化における価値観を壊すから「いけない」のだろう。言い換えれば、神が創造したものを畏れる以上に、自分たちが作り上げ大切にしてきたものを畏れている。これがまた興味深い。

それで思いついた。二次元の人に恋愛したりする人は、二次元の人を破ったりもなかなかできないのか。というと、そうでもないだろう。破れないとしたら、恋愛相手への情というより著作物への敬意からだろう。だから二次元の恋人はアリともフジツボともサンゴとも違う。

人間の心は複雑。これがとりあえずの結論(考えは拡散したまま)



非DNAの生命・知性


ロボットをこれからは「DNA外生命」と呼ぼう。GoogleMacはすでに「DNA外知性」だとも言えるが。

◎参照例:http://www.youtube.com/watch?v=xKrc32cMMaQ


では問題です。種として最も近いのは次のうち どれ? 

(a) ロボットと昆虫  (b) ロボットと人間  (c) 王蟲と火星人


ところで、歩くクジラがいたらしい。それらしい化石もあるそうだ。知らなかった! そんなことも知らなかった。まるで安土桃山時代を初めて知ったというほどの驚き。


なぜこんなことを書いているかというと、今日から『進化大全』(カール・ジンマー)を読むことにしたのだ。べつに新しい本ではない。序文はスティーブン・ジェイ・グールドで、クジラのことはそこに書いてあった。

 「進化」大全

私の関心のキーワードとして今さらながら「進化」が浮上し、そのわりに基礎を知らな過ぎるので、何か読もう、この本なら楽しそうだと思った次第。


だいたい、宇宙の謎=宇宙が出来上がった原理は解けまいが、生物の謎=生物が出来上がった原理はもう解けていると言ってよいのだ! (茂木健一郎さんみたいな壮大発言)


とはいえ、進化という考えを使って知りたいのは、あいかわらず人間の知能や意識や言語の核心だ。これらの特異さを思うとヒトだけが他の何ものとも似ていない。昆虫もロボットも私やあなたとは絶対的に異なっている。共感や議論などできるわけがない。

もっとも、そのように人間を絶対視する私の思想は進化思想とは相容れない。「ダーウィンの言う自然淘汰の原理は、人類の出現は必然であり、宇宙にとって必要な存在だったという従来の願望には、いかなる慰めも支持も提供しないのだ」(グールド)

これはこれでそのとおりだとうなずくが、それでもなお私はタカをくくってみたい。「人間ほどすごい奴が人間以外にいるものか」と。このギャップがそもそもエキサイティングなのだ。いっそう考えるに値する。

そして、この確信と願望(人間ほどすごいやつはいない)を打ち砕くものがあるとしたら、イルカやミツバチや粘菌ではなく、ロボットやGoogleなのではないか。最初に言いたかったのはそういうことだ。ヒトの知能や言語を相対化しなくてはならない知性体・生命体がマジに出現するのではないかと。



負けるな! 人間


話は少し飛ぶが、ビットコインも凄い出来事だ。まさに貨幣の生成に立ち会っているようだ。

(そうした大転換があったことを我々がすぐ忘れてしまうのも凄い。たとえば、音楽や書籍が非物質として届くようになったのは、ごく最近のことにすぎない)

情報だけの貨幣、ロボットの兵士、あっという間に地球を覆い尽くすのではないか。人間も負けてはいられない、ということで、『ポスト・ヒューマン誕生』。(http://www.amazon.co.jp/dp/4140811676

さて、『ポスト・ヒューマン誕生』と並ぶくらい、まさかの空想がまさかの現実になるやも、という本が『なめらかな社会とその敵』だった(2013年回想モード)

――まさかの首都圏大地震が来年起こるくらいの「まさか」ではあるにせよ。



ツイッターは新種の言語?


ツイートの多くは事実報告・意見陳述といったカタい言論とは遠く、むしろ直感的で生理的、いわば動物的な反応だろう。モバイルによるコミュニケーションはそれに輪をかけていると思われる。

媒体は一応同じ(言葉)だから気づきにくいが、かつて書き言葉が文語から口語に変わったのと同じくらいの激変が起こっているのではないか。

これに関連し、「動物的」とかいって蔑視されるけど非言語の行動のほうが正当的で本来的だろう、という主旨のことを猪子寿之さんが言っていて、なるほど!と思った。(http://www.amazon.co.jp/dp/B00DW9POLQ

いずれにしても、人間の能力は言語表出という領域ではもはや限界に達しているのではないか。たとえば日ごろの仕事を眺めてみても、あまりにも高度にして急速かつ正確な言語処理を常に要求されている。君がこの1年で行った言語処理の質と量は、縄文人なら一生分を超えるに違いない。

というわけなので、人間の知能に飛躍的イノベーションを起こそうと目論むなら、もはや非言語の領域にしか期待できないと思われる。


◎非言語コミュニケーションの例、というわけではないが


ここで「ツイッターの言葉の使われ方とは何だろう」という話に戻ると、言葉を使うことによって「感情や思考をチューニングしている」というのがぴったり来る気がする。

私の場合ほとんど自分の感情や思考のチューニングだが、ひたすら他人の感情や思考のチューニングをやってる人もいるだろう。

もともと言語は、他人を自分の思うように導くための道具だった可能性も高いのだから、これは新しい話ではない。

そもそも言語については、意味や文法の分析と並んで「実際何の役に立っているか」という方面の分析=語用論があり、事実確認の文・行為遂行の文といった整理もなされてきた。

実際、言語はしばしば、なんらかの事実をそのまま再現するようには使われない。「この部屋、寒いね」が「窓を閉めて」を意味するように。そもそも発話とは「相手の認知状況を変えるためにこそ用いられる」といった見方(関連性理論)も興味深かった。

というわけで―― ツイッターは「言語の先祖返り」だ、とまでいうとハッタリだが、言葉を使う方法や目的が様々に花開く可能性はあるだろう。しかもそのうちそれは「非言語的な言語」にたどり着く気がしないでもない。というのが本日の結論。



iPhoneこそ非言語の交信?


言語を非言語とも言えるほど直感的に使うには、そもそも文字入力という制約をクリアしないといけないと思う。単純だが音声入力が極めてスムーズに出来るといい。だがその場合、漢字変換や入力内容の修正とを音声でどう行えるか。

現実的には、ツイッターの文字コミュニケーションに期待するより、指先タッチだけであらゆるコミュニケーションが出来てしまうという形のイノベーションが、iPhoneなどで起こるのかもしれない。それが言語なのか言語ではないのかはさておき。



反省点


それにしても最近 私は なんでもかんでも「進化に似ている!」と言い過ぎだ。


・人は相手を主に顔で区別するとおもうが、昆虫は何をもって区別するのだろう。匂いとか? 顔ではないだろう。というか、昆虫に顔ってあるのか? というコンポンテキ疑問(昆虫地球外知性説) 参照:http://www.asukashinsha.co.jp/news/n7377.html


facebookはどんどん勝手にややこしいことをしでかすようだが、サルの脳がどんどん勝手にややこしいことをしでかしてヒトになりつつあった時期と、似ているのではあるまいか。参照:http://blogs.bizmakoto.jp/fukuyuki/entry/17102.html


・今どきは「断捨離」と入力すれば迷わず「断捨離」と出力される。 何事の不思議なけれど。(生物のようなGoogleシステム)




関連の過去エントリー(いくつもある)

・コンビニ、Googleホモサピエンス、そしてアルゴリズム http://d.hatena.ne.jp/tokyocat/20131119/p1
・人生は脳と体が刻む http://d.hatena.ne.jp/tokyocat/20131111/p1
・おまえのゲノムでは無理なのだ http://d.hatena.ne.jp/tokyocat/20131109/p1
ダダ漏れ星人 http://d.hatena.ne.jp/tokyocat/20131005/p1
もののけ姫風の谷のナウシカ宮崎駿 http://d.hatena.ne.jp/tokyocat/20130914/p1
ボイジャー1号 http://d.hatena.ne.jp/tokyocat/20130913/p1
・きみが見ている世界は きみしか見ていない http://d.hatena.ne.jp/tokyocat/20130905/p1
なめらかな社会とその敵鈴木健 http://d.hatena.ne.jp/tokyocat/20130810/p1
・私という意識を無くせば死は怖くなくなるのかも http://d.hatena.ne.jp/tokyocat/20130621/p1
・決勝はアルゴリズムヒューリスティックです(必敗?) http://d.hatena.ne.jp/tokyocat/20130620/p1
・もしコンピューターにモニターが無かったら http://d.hatena.ne.jp/tokyocat/20130612/p1
・ゾウの鼻、クモの巣、ヒトの言語 http://d.hatena.ne.jp/tokyocat/20130608/p1
・鼻歌でツイート http://d.hatena.ne.jp/tokyocat/20130426/p1
・現代のヒューマン http://d.hatena.ne.jp/tokyocat/20130417/p1
ミームはスケールフリー http://d.hatena.ne.jp/tokyocat/20130209/p1
・驚愕! 嘘だろ? http://d.hatena.ne.jp/tokyocat/20130208/p1
・頭と心の進化スピード http://d.hatena.ne.jp/tokyocat/20130205/p1