ニュートン力学から連なる近代科学が宇宙をあまりにくっきり説明できたために、神の存在は想定する必要がなくなって久しい。ところが、さらに科学が進んで量子力学などが現れてからは、宇宙はむしろ原理的に理解不能という諦めに包まれている。この神秘は、私たちは永久に神秘のまま受容し尊重するしかないのかもしれない。
でも、じゃあ、宇宙って本当はどうなっているのよ? この人知による理解しがたさの正体は何なのよ? ――そのように問うとき、実は、かつての神ほどの何かを想定するのではないか。
たとえば猿のようなものが人間のようなものになって言葉や科学すら操るようになった道筋も神秘というしかないが、答は必ずどこかにある。実際このように人間が出来たのだから。
しかし、宇宙がどう出来たのか、物質や空間の本性は何なのかという問いには、そうした答がそもそもない可能性も高い。
読書中。感想徐々に。