東京永久観光

【2019 輪廻転生】

うなずきすぎて、首が痛くなる。『ニートの歩き方』

  ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法

今年のベスト1決定と言ってよい。

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100%同意でき、しかも強く同意できる指摘ばかりの一冊だった。

だめ連の学術性、素人の乱の向日性、そうしたものに支えられなくてもニートはそれのみで正しいのだと納得できる。ニート思想はphaさんの登場によって完成に至った。

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以下、主張の中心ではないが、私的な抜き書き。

《カンカクとしては、人を相手に商売をしているのではなく、山に入っていって栗でも拾ってきているような感じだった。サイトを作って広告を貼ったら毎日ちょっとずつお金が入ってくるのは、川に罠を仕掛けて放置して、一日一回見に行くと魚が何匹か入っているようなものだ。》

《お金をあげたりもらったりすると、そのあげたりもらったりした人間同士の間に、ただ話をしたりするだけよりも強い結び付きが生まれるように感じる。お金をあげるのは自分の自我を拡張すること、って言っていいかもしれない。五百円なら五百円分だけ、五千円なら五千円分だけ、自分の自我がどこかに拡張する。僕はそれが面白い。そんな風にして人間同士のネットワークがつながってどんどん広がっていけばいいなと思う。》

《一家に一人、ニートを置こう》《僕がよく言っているのは、シェアハウスでは一家に一人はニートがいると便利ということだ。》

《うまい人はそういう「どこに行けば自分が楽に働けるか」が自然と分かるようになるみたいで、合気道の先生がよく入っていたのは「力で対抗してはいけない。自分が楽に動ける場所に行けばいい。自分が楽に動ける場所は絶対あるから」ということだった。》