インターネットの端末そのものと化した私たちは、情報をただ受信し、ただ処理し、ただ送信している(にすぎない)。ところが、その繰り返しの積み重ねのなかで、「創発」してくる情報総体というものが確実にあるのだとしたら!?
それは水や土や光から発生したが、水や光や土と同じものとは言えない生命の発生に似ている。
さらにそれは、生命や生物のなかから発生したが、生命や生物と同じものとはいえない「心」の発生に似ている。
あるいは、情報総体が人体なら、私たち1人1人は1個1個の細胞。せっせと情報の代謝をしているが、代謝の全体がどうなっているかなんて、まったくわからない。
◎参考書は『心の起源』(木下清一郎・中公新書)asin:4121016599