「私がこの世でいちばん好きな場所はファミレスだと思う」
こういうことはいつかちゃんと言おうと思っていたのだけれど、よりによってそれが8月15日だったことを、ツイッターのログをみて知る。
私は、戦争を知らない全共闘世代よりもっと下の新人類世代というやつなのだが、それでも20世紀の中盤あるいは昭和という時代がひと続きのかたまりに感じられるようになって以降、私もけっきょく、戦争を知っていた私の父母そして祖父母と同じように、「日本の戦争と戦後を生きてきた」という思いがしだいに強くなってきていた。
ところが!
私は(私たちは)さすがにもう戦後なんて生きていない。
ひとつの時代はとても長い。しかし、1人の人生もそれなりに長い。だから人も変わる。国も変わる。「戦争のことはもういいじゃないか」と言うときが来てもべつにおかしくない。私の体の血肉がすっかり入れ替わったのと同じく、私の心の血肉もすっかり入れ替わっていたとしても、しかたない。
そういえば、だいぶ昔にこんなこともつぶやいたのを思い出した。ツイッターどころかインターネットもまだ始まったばかりだったが。
「コンビニで平和をひとつ買ってこい」
父母が空襲や空腹の話をしていたように、東北の人が津波とがれきの話をするように、私はファミレスやコンビニの話をしよう。
★キッチン/吉本ばなな