東京永久観光

【2019 輪廻転生】

セカイ系内閣


どうせ無茶を言うなら、日本国民の賃労時間25%削減でも国際公約してくれたほうがありがたかった。

政権交代とは面白いもので、いろんな無茶がけっこう通る。

これに対して、単に無茶だからという理由ですべてを冷ややかに眺めなくてもよいだろう。なぜなら、私(たち)はすでにいろいろ無茶をしているし、させられてきたと思うからだ。これまで私たちが無茶をしているおかげで不当に得をしていた連中が、これから少しはその無茶の肩代わりをすることになるのなら、それはそれで結構なことだ。

とはいえ、この環境問題だけはそもそもどうなのだろう。日本がCO2を25%削減して誰が本当に得をするのか。よくわからない。それどころか、「CO2をこぞって削減しても世界の誰ひとりとして得をしない」ということは本当にないのだろうか。けっこう怪しい。

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新政権の公約や政策は「セカイ系」と呼ぶべきではないか。

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たとえば「GDPや株価を25%上昇させます」という無茶ならば、今日の識者は「正解」と評すのだろう。今や経済という原理や条件だけは絶対に揺るがないようにみえる。あんまりみんながそう言うから、私ももう漠然とそれだけは正しいのだと思うようになった。環境の議論がひょっとして「セカイ問題?」と疑われているのに比べ、経済の議論だけはやっぱり「リアルな世界問題」なのだろう。

…それでも、経済がどうなれば、彼ではなく私が、本当に得をするのか、本当に楽になるのか、どう得をするのか、どう楽になるのか、私が確信できなければ意味はない。私の幸福の基盤は、世界の幸福だけでなくセカイの幸福にも支えられている。


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セカイ系 http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%AB%A5%A4%B7%CF