★ファーゴ/ジョエル・コーエン監督 asin:B00005V2NC
『ノーカントリー』と同じコーエンの作品ということで借りてみたが、大当たり。こういう映画はとてもよい。胸に強く残った。…というか、むしろ『ノーカントリー』に私がひそかに期待していたものが、この『ファーゴ』のほうでむしろ完璧に実現していたという感じ。それはつまり、アメリカ社会の病気とでもいうか、どうにもならない日常とでもいうか。『ノー・カントリー』もまあ同系だろうしもちろんよかったのだが、『ノーカントリー』はハラハラドキドキのほうが凄すぎたかも。
それにしても、美男美女がこれほどまでに出てこない映画というのも珍しい。実際ブシェーミなどは何度も「へんな顔」と呼ばれているし。
特別な資質に恵まれた人など滅多にいない。天国のような町もなければ特別素敵な職というのもこの世にはあまりないのだろう(どちらかといえば地獄のような町や仕事ばかりだ)。誰しも凡庸で退屈。それにずっと耐えることはなかなか難しいのであり、ふと魔が差して転んでしまい、取り返しのつかない不幸に落ちていく。でも逆に、この凡庸さに対して少しの真面目さと愛を絶やさず、たんたんと付き添っていけば、いつかやはり「取り返しのつかない」つまり言い換えれば「かけがえのない」私だけのささやかな幸福が、きっとだれにも訪れる。
★12モンキーズ/テリー・ギリアム監督 asin:B00005V2R0
いまさら。しかしとても面白かった。
かつて中国桂林を旅行していたとき、バックパッカー向けのカフェがたくさんあり、暇を持てあます外国人客のため、夜ごとハリウッド映画がVCDとかいう画質の悪いソフトで流れていた。そのうちの1本に『12モンキーズ』があった。それらの映画は英語音声に中国語字幕がついており、英語が聞き取れない私は字幕のほうを必死に眺め、そうすると漢字のイメージからふしぎにもストーリーはおぼろに浮かんでくる。おかしなものだった。しかし『12モンキーズ』だけは何の話か全然わからなかった。というわけで、この奇妙な映画をもう一度ちゃんと見たかったのだ。桂林のあの奇妙な風景ももう一度みたい。だがこっちはツタヤでは借りられない。
★天然コケッコー/山下敦弘監督 asin:B000WGUSS6
山村と分校のカットすべてがよい。夏帆がよい。しかし何が一番素晴らしいのかというと「わし」という方言かも。線路のシーンでは『冬冬の夏休み』(ホウ・シャオシェン)を思い出した。山下作品はこれまで『どんてん生活』『リアリズムの宿』『リンダ リンダ リンダ』『松ヶ根乱射事件』を見てきたが、これはまたひとつ新しい作風というべきか。
★青春残酷物語/大島渚監督 asin:B0017LFILM
ゴダールみたい? …いや、ゴダール映画もあまり複雑に考えず、たとえばこんなような時代にこんなような若いやつがこんなような思いつきや思いきりだけで映画を作ってみたらこうなった、ということに過ぎなかったのではないかと、逆方向で腑に落ちてもよい。
参考になるレビュー。→ http://www.humu-humu.net/rensai/column/cinema/2007/0201.html
★インディ・ジョーンズ レイダース 失われたアーク/スティーブン・スピルバーグ監督 asin:B0015U3N4Y
ツタヤの100円シリーズで借りたのだったか。仕事の焦りとストレスを忘れるのにちょうどよかった。
★セブン/デビッド・フィンチャー監督(DVD)
モーガン・フリーマンとブラッド・ピット。ひどい話、いやな話。これもツタヤ100円シリーズか。
★グッドフェローズ/マーチン・スコセッシ監督 asin:B002JQL2VO
マフィアに入る若者の話。レイ・リオッタやロバート・デ・ニーロが主演。アカデミー作品賞・監督賞(1991年)
★ミッドナイト・ラン/マーティン・ブレスト監督
ロバート・デ・ニーロとチャールズ・グローディンのコンビが笑わせ泣かせるロード・ムービー。
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↑ 映画DVD鑑賞記録 2009年 (3) http://d.hatena.ne.jp/tokyocat/20090715/p1
↓ 映画DVD鑑賞記録 2009年 (5) http://d.hatena.ne.jp/tokyocat/20091201/p1