東京永久観光

【2019 輪廻転生】

ふぐの白子のような味ではない


おくりびと(DVD映画)ASIN:B001Q2HNOW


アカデミー外国語映画賞だから「よい」というわけではないように、アカデミー外国語映画賞だから「よくない」というわけでもないのだが、単によくなかった。…残念。


共感できる感想がなかなかなく、やっと1つ見つけた。

http://d.hatena.ne.jp/jiangmin-alt/20090318/1237304705

 映画『おくりびと』は退屈でつまらんという話(alternative jiangmin)

《結局、この映画は死を扱っているようで、死がメイン・テーマになっていない》とあり、それを言ったらああ致命的!という感じだが、実際そういうところに帰着するのかも。


日本を知らないアメリカ人が外国の映画としてこういうものに感動しやすいというところはあるのだろうか? 私もたとえば、ニジェールの映画だとかボリビアの映画だとかいうふれこみで、この『おくりびと』のような作品に出会ったら、わりとけっこう感動してしまいがちなのだろうか? いや、「感動する映画はいわばすべて外国語的なのだ」ということはありえるが、「外国語の映画だから無闇に感動する」というのではやっぱりないだろう。


なお、映画芸術ワースト1だから「よくない」と言うわけでは少しある。 

http://eigageijutsu.com/article/112695867.html


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(追記 4.10)

そのあとすぐ、昨年公開の日本映画を2つDVDでみたが、これはどちらも最高によかった。
ぐるりのこと橋口亮輔監督)asin:B001O6W9SU
歩いても 歩いても是枝裕和asin:B001I93IEM

……というわけで、なんでも「よくない」と言いたい性格ではないのだと自分に安心する。「よくない」と指摘することがまったく楽しくないというのは嘘だが、たいして楽しくはない。いくらでも語りたいのはもちろん「よかった」という映画についてにきまっている。『ぐるりのこと』と『歩いても 歩いても』はどちらもそう。同じ監督の過去の作品『ハッシュ』や『誰も知らない』『ワンダフル・ライフ』もそうだった。

だから、こんなことを書いたあとで、『ぐるりのこと』や『歩いても 歩いても』を悪く書いているレビューを見つけたら、しばし落胆、やがて激昂!「こんなブログ、もう信用せん、もう読まん」 ……いや、そんなことはありませんから、『おくりびと』に感動した方もどうかご容赦を。

♪人の好みは十人十色〜