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【2019 輪廻転生】

読書週間、その前にメモ習慣


思い返せば、あれを知ったのもこれを考えたのも特定のある本がきっかけだった。読書こそ知識と思考の源泉。そのことは5年、10年の単位で思い知るものだ。

ところが、本とは忘却もまた甚だしい。杞憂ではない。久しぶりに再読すると必ず同じところに線を引こうとする。だったらメモしなさい。まったくその通り。実際パソコンに打ち込む読書メモは増え続けている。しかも何年か後、自分で残したそのメモは予想を超えて再利用できる。そのこともしだいに強く実感するようになった。それにだいいち、本で読んだことは自分の言葉にしてこそ定着する。それもどうやら本当だ。

逆にいうと、読書の利得は、そのままではまちがいなく流出してしまう

だがそれを思い知った今となっては、なにか読んでいて「なるほど」と納得するのはうれしいが、同時にそれを忘れてしまうことが予測され、いやでしかたがない。だからメモをしなくちゃと思うのだが、それがまた煩わしくてしかたない。本を読むことがおかしなストレスにつながってしまうのだ

そんななか、ふと妙案をおもいついた!

読書メモとは「本に書いてあること」と「読んで思ったこと」の2つから成る。このうち読んで思ったことを自分の言葉で書くことがメモのエッセンスだろう。ただそれに応じ、本の内容自体もいくらか書き留める必要がある。これが面倒くさい。だったらどうする。その本の要約や引用したいと思う箇所のテキストをインターネットからコピー&ペーストすればよい。

すでにブログのお手軽引用に慣れているわれわれだ、それをしない手はない。しかしデジタル共有がおそろしく進んでいない書物の中身を、インターネットからどうやって見つけ出すのだ? いや簡単、引用したい文章の冒頭をそのままGoogleに打ち込んでしまえばいいではないか! たいていの本はだれかがすでに読んでいる。そしてだれかは丁寧に引用してくれてもいる。

みんなとっくに実践しているのかもしれないが、私はついこのあいだ気づいた。ノーベル賞つながりで利根川進立花隆がインタビューした『精神と物質』を読んでいたときだった。実際に同書のテキストをGoogle検索してみると、出てきた、出てきた。有名な一冊であり引用したいポイントはけっこう誰でも同じになるのかもしれない。2ちゃんねるのスレッドなども資源になった(引用文は同書で確認し不足分は書き加えた) また、Amazonには汎用性のある要約が掲載されメタデータもそろっている。書名や著者すら自分で打ち込む必要はない(ときには自分が読んで思ったことまで、だれかが書いてくれていたりする)

せっかくなので、その読書メモを以下にコピーしておく。次にだれかが同じことをしたいとき、これを見つけてコピーすれば、同じく面倒な作業は省ける。