東京永久観光

【2019 輪廻転生】

政りのあとのさびしさが…


感きわまったとき、腹をくくったとき、人間の顔は多弁だとつくづく思った。とりわけ自民のおっさんはやっぱり味がある。片山虎之助中川秀直渡部恒三(民主最高顧問)も面白すぎ。

ところが安倍晋三という人だけは、共感どころか反感をもつだけのなにごとかもまったく伝わってこない。なんだありゃ。世間をちゃんと生きている大人なら、昨日テレビで会見みて、さすがに飽きれ果てたのではないか(そうちゃんと生きているとも言えない私でもそうなのだ)。周囲からあまりに浮いていて、かわいそうになるほどだった。日本の総理のくせに。蛭子能収の漫画に『私の彼は意味がない』というのがあったが、彼とは安倍さんのことだ。

選挙速報日本テレビの『ZERO』を見ていた。

キャスターは村尾信尚。かつてNHKワーキングプア・ドキュメンタリー第1弾で、番組の最後に格差社会に少し肯定的なコメントを言うイヤな役で出てきたのがこの人で、そのとき私なんてまるで親のかたきを見つけたみたいな気分でムカついたのだったが、その後『ZERO』がスタートし、イヤなもの見たさに時々チャンネルを合わせるにつれ、おかしなことに私の村尾好感度は逆に上がる一方。今回も村尾さんをちゃんと見たいと思った。

島田紳助に関しては、例の女性マネージャーを殴ったという一件以来、やっぱり親のかたきのように感じているのだが、まあさすがに賢い。反射神経がいい。外さない。ただ質問がしつこいと思ってしまった。「あなたの今の気持ち、ツボはここですよね、分かりますよ」というサインを伝えるために、答えに当たる鮮やかな文言を本人より先に質問として述べてしまう。このクセはインタビューでは逆効果だと思い知らされた(気をつけよう)。ちなみに彼は政治家志向ありありなのだろう。

まあしかし、あんまり当選してほしくないような人がけっこう通った。なんであんな奴やあんな奴が赤じゅうたんを踏むのだ。それに比べたら、たとえばブログの書き手にだって議員に推したい人は山ほどいるではないか。ひとつシャドー・キャビネットのごとく勝手に投票してみるか。そのまま次のリアル選挙に突入しても面白い。そういえばネットは、民意を拾うにも政策を投げるにも とても機能的に思われてくる。有権者といわば直に言葉を交わせる。頻繁に、高度に。

投票も はてなブックマークの要領にしてみてはどうだろう。すでに何票入ったか常にカウントされ、しかも誰が誰に入れたか全て分かる。

じゃあホントにその「はてブ式選挙」が実現したら?

今回の民主勝利は地滑り的とも言われたが、そのカスケードぶりはリアル選挙の比ではないだろう。大変な結果になりそうだ。ヒトラーが出るか。そうかも。しかしそこは はてブユーザーの見識……、いやそうではない、国政選挙なのだから国民全員が はてブユーザーになった場合の全体の見識が問われることになる。今回の参院選を落ち着いて振り返ってみると、日本の有権者って、それほど愚かではないようでいて、それほど賢くもなかったように思われてならない(私を含め)。だったら仕組みを変えても同じこと?