東京永久観光

【2019 輪廻転生】

読んだ、読んだ、読んだ


また忙しくなってきた。
決定的な本ばかりを読みさしなのに。


入不二基義相対主義の極北』とか、遠山啓『無限と連続』とか。
哲学と数学は似ている。どちらも、
世間を生きるのにはあまりにも役に立たない。
哲学や数学をいくらかでも本当に理解すればするほど、
それは明らかだと思えてくる。
哲学や数学が友達の人は、たぶん世間とは友達にならない。
でも私は、哲学や数学の友達かというと、そうでもない。
(彼らがもうちょっと手を抜いてつきあってくれればいいのだが)
だからといって、世間もまた私とはなかなか友達にならない。
う〜む。
というか、哲学や数学が、ある意味そんなことどうでもいいだろ、
と思えるのと、真逆の方向で、
世間もまた、そんなことホントはどうでもいいだろ、ばかりに思える。


言語興味関連では、ついに、ジョージ・レイコフの『認知意味論』
次いで『レトリックと人生』(レイコフ&マーク・ジョンソン)
これらも大変なことが書いてある。予想以上に大胆。
もっと早く読めばよかった。1980年代の書。
『認知意味論』巻末にある池上嘉彦の解説がまた、
こうした路線の言語探究がもつ面白さのすべてを、
さっくりと、くっきりと、
誰の目にもすぐ分かるように説明してくれていると、思えるものだった。
宝物。


そして、
前々から勧められていて、とうとう行き当たったのが、この一冊、
田川建三『イエスという男』
やまいった、これは、本当に凄い本だ。(でもまだ少し)
以下のインタビューにあった「素晴らしい」の形容を思い出した。
http://inf.ifdef.jp/interview-yom-1.html
yomoyomo あるミュージシャンが「良い曲」と「素晴らしい曲」を定義していまして。「良い曲」とは、それを聴いてリズムを取りたくなったり、恋人と楽しいことをしたくなるようなもの。一方で、「素晴らしい曲」とは、それを聴いて警官をなぎ倒し、街に火をつけたくなるようなものだそうです(笑)》


ジョン・R・サール『マインド 心の哲学
(意識のとらえ方。サールは二元論を退けるのと同じく、唯物論も退ける)
池田清彦『新しい生物学の教科書』と『構造主義と進化論』
これらもすこぶる面白いが、さすがにちょっとかすむ。


エーリッヒ・ケストナー飛ぶ教室』(光文社 古典新訳文庫)
イポリト・ベルナール『アメリ』(映画のノベライズ)
これらはすぐ読み終えた。しかも幸福。微妙ながら。


フランツ・カフカ『失踪者』(白水Uブックス)
カフカは世間というものを、どう位置づけていたのだろう?


……なんだこれだけか。
でもどれか一冊でも、心底面白かったという人は友達。


*


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