東京永久観光

【2019 輪廻転生】

なるべくニュースフリーでありたいのだが


大阪ではホームレスの人が文字通りホームレスになってしまった。

ところで、この「ホームレス」という呼び方が私はあまり気持ちよくない。元来が属性を表す言葉であり人を表す言葉ではないからだろうか。あるいは、外来語をそのまま横流ししてあてがっていることが安直に感じるせいか。ともあれ「野宿者」という言い方のほうがしっくりくる。そう言い換えることで、そのことに対するなんらかの引っかかりを心に留めておきたいのかもしれない。

人を指すのに属する国の名だけが使われるのも気持ちよくない。「フィリピン」とか「チャイナ」とかね。かつて海外旅行していて、「ハロー、ジャパニーズ」は仕方なかったとしても、「ジャパン」と手招きされたことがあってもやもやした。

ふと「ホームフリー」という用語を思いつく。固定した住居概念に縛られない、みたいな意味になるのかも。野宿という苦境を茶化すつもりではないが。そういえばきのうのテレビでは、彼らを一時収容するために大阪市が用意したという施設について、野宿者の1人は「そんな1畳しかない所に入るのはごめんだ」(不正確引用)と顔をしかめていた。「せめて3畳くらい」とも。

3畳といえばしかし、ライブドア元社長が今住んでいる小菅拘置所ではないか。「ここには暖房もありません」と、同情はしても批判はせずに伝える報道というのは、どうなんだよとも思った。人権などというものがこの世に最初から存在するというのは思い込みなんですよ、と言われているのは知っている。しかしそれはともかく、少なくとも逮捕されてしまった者には明らかにそれが存在しないことを、あの日の報道は如実に物語った。

でもまあ、食事つき労働なしの3畳で、もし暖房があって漫画があってネットもできるなら、引きこもっていい?

参考→http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060125-00000195-jij-soci
間違えた。
こっち→http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060130-04222129-jijp-soci.view-001


‥‥ちなみに「オタク」という呼び方の是非は?


 *


ところで。この「フリー」という形容はそもそもクセモノ。慣れない英語に意味が混乱しがち。たとえば「smoke free」と書いてあったら「なんだ吸っていいのか」と思う人もいるのではないか。

今とりわけややこしいのが「ジェンダーフリー」。以下のニュースもややこしい。
上野千鶴子氏、都に抗議文 「用語統制に介入した」(朝日新聞
http://www.asahi.com/national/update/0130/TKY200601300325.html
これに関する上野氏のサイト
http://www.cablenet.ne.jp/~mming/against_GFB.html

背景には、「ジェンダーフリー」を「性差をまったく認めない主義」と誤解して非難する、といった状況がある。しかもそのように非難する勢力が最近目立つという状況もある。その勢力は単に「ジェンダーフリー」を「ジェンダーレス」と誤解しているだけかというと、どうもそう単純ではないと思う。

というわけで、たとえば「男らしく・女らしく」といったまるでややこしくなさそうな用語のほうが、実は昔からよほどクセモノだったのだということを、ここらで改めてしっかり思い起こしておくのはよいと思う。以下のQ&Aが参考になる。

ジェンダーフリーとは」http://seijotcp.hp.infoseek.co.jp/genderfreeQandA.html