東京永久観光

【2019 輪廻転生】

NEET

学校や会社という仕組みに「入れるか/入れないか」という区分けがなされる。
しかしこれは、
学校や会社という仕組みを「拒めるか/拒めないか」という区分けでもいいだろう。
この仕組みに入りきれずグズグズしているのが「ニートである人」なら、
この仕組みを拒みきれずカリカリしているのが「ニートでない人」。
対称的。
さて、そのとき、
ニートでない人は「ニートである人にも、私の価値観は分かるはず」と諦めず、
ニートである人は「ニートでない人には、私の価値観は分からない」と諦める。
つまり
ニートでない人は「ニートである人を説得できる」と胸を張り、
ニートである人は「ニートでない人を説得できない」とうつむく。
そう見える。そこは非対称だ。
だから、穿った見方をすれば、むしろ
ニートでない人は「ニートなんて救いがたい」とまでは案外思わないのに対し、
ニートである人は「ニートでないなんて救いがたい」と結構思っているフシがある。
で、実は私も、近年の日本社会において最も救いがたい思い込みは、
ニートでない人の生き方や考え方」の方にこそあるんじゃないかと、
ときどき思う。